京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

別編司馬遼太郎の世界

司馬遼太郎第26回菜の花忌その2

記念館の入り口から庭の小径を進むと、数々の作品が誕生した書斎の様子が庭越しに見られるようになっている。書斎は生前の状態で保存されている。さらに歩を進めると記念館のエントランスに達する。記念館は建築家安藤忠氏の設計による。菜の花が飾られた、…

司馬遼太郎第26回菜の花忌その1

建物内撮影禁止につきパンフレットの写真を転載 一昨日の12日に東大阪市文化創造館で生誕100年の故司馬遼太郎氏の「菜の花忌」が開催され参加した。「菜の花忌」は毎年司馬遼太郎氏が亡くなった2月に大阪と東京で交互に行われているがその「菜の花忌」も今回…

菜の花忌の日の司馬遼太郎記念館その3

司馬遼太郎のいろいろな小説に思いを寄せながら館内を見学後、思いにやや上気した気持ちを静めるべく、改 めて庭を散策したのち、NHKの大阪ホールに向かった。 私事で恐縮であるがわたしは司馬遼太郎氏と過去にやや関わりを持った時期があり(というより司馬…

菜の花忌の日の司馬遼太郎記念館その2

パンフレットの写真から転載 記念館の入り口から庭の小径を進むと、数々の作品が誕生した書斎の様子が庭越しに見られるようになってい る。書斎は生前の状態で保存されている。さらに歩を進めると記念館のエントランスに達する。記念館は建築家 安藤忠氏の設…

菜の花忌の日の司馬遼太郎記念館その1

今月16日にNHK大阪ホールで故司馬遼太郎氏の「菜の花忌」が開催され参加した。「菜の花忌」は毎年司馬遼 太郎氏が亡くなった2月に大阪と東京で交互に行われているがその「菜の花忌」も今回で23回となる。菜の花忌 の今回のプログラムは第一部が司馬遼太郎記…

愛読書40「韃靼疾風録」

「韃靼疾風録」は、清朝興隆の時代を舞台としており「中央公論」1984年1月号から1987年9月号まで連載され、 第15回大佛次郎賞(1988年)を受賞、司馬さんの長編小説となりました。 舞台は明朝末期、ヌルハチが明を破って後金を建て、ホンタイジが清朝を開く1…

愛読書39「箱根の坂」

「箱根の坂」は戦国大名のさきがけとなり、戦国時代の口火を切った北条早雲の生涯を描いています。 1982年(昭和57年)6月から1983年(昭和58年)12月まで『読売新聞』誌上で連載されました。 本作で司馬さんは、室町時代後期に国人・地侍といった有力農民層…

愛読書38「真説宮本武蔵」

「真説宮本武蔵」にはこの「真説宮本武蔵」の他に「京の剣客」「千葉周作」「上総の剣客」「越後の刀」「奇妙な 剣客」の五編の剣客ものが収録されています。 「真説宮本武蔵」は佐々木小次郎を巌流島の決戦で下した後の宮本武蔵の消息が描かれた作品です。…

愛読書37「関羽と劉邦」

「関羽と劉邦」は楚漢戦争期を舞台に、鬼神のごとき武勇で秦を滅ぼした楚の項羽と、余人にない人柄で人々に 推戴され漢帝国を興した劉邦を描いています。「小説新潮」誌上で1977年1月号から1979年5月号まで連載され ました。 司馬さんはこの作品で1970年代半…

愛読書36「アームストロング砲」

幕末維新期を生きた様々な男達を活写する司馬さんお得意の短編小説集です。 「薩摩浄福寺党」「壬生狂言の夜」「太夫殿坂」「理心流異聞」「倉敷の若旦那」「五条陣屋」「侠客万助珍談」 「斬ってはみたが」「アームストロング砲」の9編が収録されています。…

愛読書35「豊臣家の人々」

「豊臣家の人々」は安土桃山時代に天下人となった豊臣秀吉を身内に持ったことにより、その運命を大きく変え られた豊臣家の一族を描く連作短編。「中央公論」1966年(昭和41年)9月号から1967年(昭和42年)7月号まで 連載されました。 わたしと「豊臣家の人…

愛読書34「十一番目の志士」

「十一番目の志士」は長州藩出身で二天一流を使いこなす架空の暗殺者(刺客)天堂晋助の生涯を描いた小説 です。「週刊文春」に1965年10月18日号から1961年11月21日号に掲載されました。1968年にはNETテレビでテレ ビドラマ化されています。また、1977年のNH…

愛読書33「殉死」

「殉死」は昭和42年(1967年)の別冊文藝春秋100号(6月発行)および101号(9月)に掲載され、同年文藝春秋か ら刊行されました。司馬さんはこの作品などの功績により第9回毎日芸術賞を受賞しました。 明治期の軍人で長州藩出身の乃木希典(陸軍大将伯爵)は…

愛読書32「菜の花の沖」

「菜の花の沖」は、1979年4月から1982年1月まで『産経新聞』に連載されました。1982年5月 - 11月に文藝春秋 で全6巻が刊行されました。現在は文春文庫全6巻(改版2000年)と、「司馬遼太郎全集 42・43・44」(文藝春秋) に収録されています。 ◎私と「菜の花…

愛読書31「功名ヶ辻」

功名が辻」は、1963年(昭和38年)10月から1965年(昭和40年)1月にかけ、各地方紙に連載されました。題名 「功名が辻」の辻は「十字路、交差点、路上」という意味を指します。 ◎わたしと「功名が辻」 天下へ突き進む織田信長の軍勢の中に、「ぼろぼろ伊右衛…

愛読書30「幕末」

幕末の暗殺を取り上げた短編小説で、昭和38年1月から12月にかけて「オール讀物」に連載されました。 桜田門外の変、奇妙なり八郎、花屋町の襲撃、猿が辻の血闘、冷泉斬り、祇園囃子、土佐の夜雨、逃げの小五 郎、死んでも死なぬ、彰義隊胸算用、浪華城焼打、…

愛読書29「戦雲の夢」

「戦雲の夢」大きな器量を持ちながらも、乱世の動きに取り残された悲運の武将、長曾我部盛親を鮮やかに描い た長編作品で1961年に講談社より刊行し講談社文庫で重版されています。 ◎わたしと「戦雲の夢」 「夏草の賦」の主人公土佐二十四万石の太守である長…

愛読書28「酔って候」

「酔って候」(よってそうろう)は幕末の西南雄藩を舞台とした短編4編集です。文藝春秋で単行本が刊行されまし た。土佐藩の山内豊信を主人公として描いた「酔って候」、薩摩藩島津久光が主人公の「きつね馬」、宇和島藩 の伊達宗城と、彼に命じられて蒸気船…

愛読書27「空海の風景」

「空海の風景」は「中央公論」1973年(昭和48年)1月号から1975年(昭和50年)9月号に連載されました。 平安時代初期に密教を独自に体系化し、真言宗の開祖となった空海を扱った作品で、第三十二回(昭和50年 度)芸術院恩賜賞文芸部門受賞作。司馬さんは本…

愛読書26「風神の門」

「風神の門」は、1961年(昭和36年)から1962年4月まで『東京タイムズ』に連載されました。 戦国時代の忍者・霧隠才蔵こと服部才蔵が主人公となっています。真田十勇士を題材にした作品ですが、猿飛 佐助と霧隠才蔵以外の十勇士は殆ど描写されていません。ま…

愛読書25「胡蝶の夢」

「胡蝶の夢」は、「朝日新聞」朝刊に、1976年11月11日から1979年1月24日まで連載されました。 徳川幕府の倒壊と15代将軍慶喜の苦悩、また戊辰戦争での軍医としての松本良順、順天堂出身の関寛斎の姿 があざやかに描き出されています。その一方で、記憶力と語…

愛読書24 「夏草の賦」

「夏草の賦」は、1966年9月から1967年5月にかけて地方紙に連載、文藝春秋により刊行されました。 戦国時代から安土桃山時代にかけての四国の大名、長曾我部元親を主人公とした作品です。戦国の世、 「鬼国」と呼ばれた僻遠の地である土佐に生まれた長曾我部…

愛読書23 「尻啖え孫市」

尻啖え孫市」は1963年(昭和38年)7月から1964年(昭和39年)7月にかけて「週刊読売」で連載され ました。戦国時代に鉄砲技能集団として名高かった雑賀党を率いた雑賀孫市(鈴木孫一)を主人公にし た作品で、雑賀党を構成する有力家系の一つである鈴木氏の…

愛読書22 「播磨灘物語」

「播磨灘物語」は昭和48年5月から昭和50年2月まで読売新聞に連載されました。豊臣秀吉が天下をとる ことが出来た最大の功労者である黒田官兵衛。軍師としての豊かな才能のゆえに豊臣秀吉に懐刀として 最も信頼される一方、最も警戒された戦国武士の生き様を…

「坂の上の雲」ドラマ放映開始

先月末の日曜日から待ちに待った 「坂の上の雲」のドラマがNHKで放映開始されました。今年は年末 まで毎日曜日に5回放映されますが放映期間は3年にわたる長期間ですから原作を読みながらご覧いただ くと更に面白く見られますよ。 みんなで「坂の上の雲…

愛読書21 「人斬り以蔵」

「人斬り以蔵」は昭和39年3月「別冊文芸春秋」に掲載された中篇小説です。薩摩の田中新兵衛、肥後の 河上彦斎とともに「人斬り」の異名をとった土佐の岡田以蔵の生涯を描いたものです。 ◎わたしと「人斬り以蔵」 この小説はかって「人斬り」という題名で映画…

愛読書20 「花神」

「花神」は昭和44年10月から昭和46年11月まで朝日新聞に連載されました。 幕末に長州から彗星の如く歴史に登場し、幕府と薩長土肥との戦い、いわゆる戊辰戦争で官軍側の総指揮 官として天才的な軍略により官軍を勝利に導き、近代日本の軍政の礎を築い…

愛読書19 「新史太閤記」

「新史太閤記」は昭和41年2月から昭和43年3月まで小説新潮に連載されました。あまりにも有名な豊臣秀 吉の出世物語です。猿と呼ばれた小僧の時代から、織田信長にその天分を見出されて織田軍団の中で出世 街道を驀進、信長が本能寺の変で亡くなったあと天下を…

愛読書18 「城塞」

「城塞」は昭和44年7月から平成46年10月まで週刊新潮に連載されました。関ヶ原から14年、徳川家康は 天下とりを完全に果たすため、大阪城の秀頼、淀君に策謀をめぐらし開戦の口実をつくり、豊臣家を滅ぼ します。豊臣の大阪方は西欧をはるかに凌ぐといわれ…

愛読書17 「関ヶ原」

「関ヶ原」は昭和39年7月から昭和41年8月まで週刊サンケイに連載されました。豊臣秀吉亡きあと天下とり をめざす徳川家康と豊臣政権を守ろうとする石田三成の戦いを描いた小説です。小説の終盤はいわゆる天 下分け目の関が原の戦いが描かれ、この小説の中核を…