令和の葵祭
近衛府の五位の武官で、下鴨、上賀茂両神社の社頭で歌を唄い、楽器を演奏する陪従(べいじゅう)が「河霧」 の銘を持つ和琴を神前の奏楽用として捧げて鳥居をくぐってゆく。まさに王朝絵巻のワンシーンである。 「社頭の儀」は上賀茂神社、下鴨神社両社に到…
御園橋を渡ると上賀茂神社までの参道は人波に揺れていた。なんとか前のほうに出て見ると社頭の儀に参列す るため、鳥居をくぐって本宮に向かって粛々と歩んでゆく女官たちの姿をみることができた。
行列を見送ると賀茂川の河川敷の散策路を通って、行列のゴールである上賀茂神社に向かった。左側の土手 にある加茂街道からは行列観る人々のざわめきが聞こえ、右側からは賀茂川の水音が聞こえてき、空は抜ける ように青く澄み渡っている。賀茂川の上流に目…
雅楽に使われる楽器を担ぐ文官たちに続き、もう一つの牛車がやってくる。本列の牛車とは飾りが異なり、葵と 桂のほか、桜と橘が飾られている。斎王の牛車で女房車とも言われている。牛童が愛想を振りまくと沿道から拍 手が起こる。
斎王代の乗った輿の後に続く美しく着飾った女官たち、辺りは一層華やいだ雰囲気が流れる・・・
風流傘に続き斎王代列が近づいてくる。花傘を差しかけられた身分の高い女官に続き、斎王代(さいおうだい) の乗った輿がやって来る。斎王とは賀茂神社に奉仕するため皇室から差し出された内親王、女王のことをいい、 かつて未婚の内親王が務めていたが、現…
牡丹や杜若などの季節の花(造花)を大笠の上に飾り付けた風流傘(ふりゅうがさ)も煌びやかで美しい・・・
美しく着飾れた白馬に続き、独特の車輪が軋む音を響かせながら、これも美しく着飾れた牛が引く牛車(ぎっ しゃ)が近づいてくる。牛車は御所車とも云われ勅使の乗る車で、藤の花などを軒に飾り、牛に引かせる。牛童 (うしわらわ)と呼ばれる稚児・車方・大…
烏帽子に飾られた葵の葉の緑が美しい・・・ 葵祭は石清水祭、春日祭と共に三勅祭の一つであり、庶民の祭りである祇園祭に対して、賀茂氏と朝廷の行事 として行っていたのを貴族たちが見物に訪れる、貴族の祭となった。平安時代以来、国家的な行事として行わ…
時間になるとパトカーを先導に行列のトップの姿が見えてくる。パトカーの後に京都府警の平安騎馬隊。次に続 くのが「乗尻(のりじり)」という行列を先導する騎馬で、左右各3騎ずつ付く。その次に続くのは下役を率いて行 列を警護する検非違使志(けびいしの…
5月15日、9年ぶりに京都の葵祭の写真を撮りに出かけた。葵祭の行列は当日午前10時30分に京都御所の建礼 門を出発し、午前11時40分に下鴨神社に到着、社頭の儀の神事を終え、午後2時20分に下鴨神社を出発、北大 路通りを西に向かい、賀茂川に架かった北大路を…