た作品で、雑賀党を構成する有力家系の一つである鈴木氏の当主は代々「孫市(孫一)」という名を襲
名することが慣例となっていました。そのため諸史料に登場するその名の人物には、その名を名乗った
そこで活躍する孫市の人物像や彼を取り巻く群像はほぼ作者の創作であり、事件・事象の展開にも史実
からかなりの改変があり、作中の孫市は、司馬さんによると「当時の雑賀者の性格を一人に集約すれ
ば、おそらくこうだっただろうということで創った人物像」といっています。
◎わたしと「尻啖え孫市」
近畿地方の各地を転戦、次第に傭兵的な集団として成長していきました。紀ノ川河口付近を抑えること
「尻啖え孫市」では主人公の孫一を当時の時代劇スター中村錦之介が扮し、スクリーン一杯に活躍して
が鉄砲集団として特異な存在感を示し、伊賀甲賀の忍者衆とともに武士が中心であった戦国の時代にも
かかわらず戦いの勝敗を左右した軍事集団であったことに驚かざるを得ません。