京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

炎 その9

鞍馬の火祭りは最高潮に達し、大松明の激しい炎とともに祭りに参加する者、祭りを見る者すべて、千年 続く一つの心となって鞍馬の山に昇華してゆく・・・

炎 その8

午後8時を過ぎるころには狭い鞍馬街道は人出であふれ、身動きも出来なくなる。街道には大松明が終結 し、路端に置かれた大松明の炎は一段と火勢を強め、輝き、辺りの漆黒を照らし出す。そして褌姿の若者 たちの裸形を浮かび上がらせるうち、祭りはいよいよ本…

炎 その7

鞍馬には「仲間」という社会組織がある 鞍馬の火祭で重要な役割をはたしているのが仲間制度である。里人はもと鞍馬寺の宗徒が多く、鞍馬寺と の関係によって出来た世襲的な座組織であり、今は祭祀のときに活躍するが、昔(近世)は日常生活全般 に重要な役割…

炎 その6

松明を担いだ子供たちの姿が消えると今度は若者達の登場である。若者達は、裸に朱子の締め込み、化粧 回しをして両手の部分しかない襦袢をつけ、船頭小手、脚袢、黒足袋、武者草鞋に身をかため、逆鉢巻に 白布の肩当をし、南天の枝を挿している。上半身は船…

炎 その5

それはもう長襦袢というものではない。金糸による刺繍の縫い取りの豪華なものもあれば、現代的な図案 を凝らしたものもある。女の子に聞いてみると自分で縫い上げたという。おそらく母親の手ほどきを受け て縫ったに違いない。肩から掛けるようにして着る長…

炎 その4

「サイレイヤ、サイリョウ」「サイレイヤ、サイリョウ」「サイレイヤ、サイリョウ」・・・ この千年の間、親から子に、孫に連綿と引き継がれてきた鞍馬の火祭り。子供たちの晴れ姿を装う色とり どりの色彩と模様の長襦袢が炎に照らされ一段とその鮮やかさを…

炎 その3

暗闇の中に人々のどよめきとともに小さな松明の炎をにじむように浮かび上がると、光の輪が次第に近づ いてきた。「サイレイヤ、サイリョウ」(祭礼や、祭礼の意)とかけ合うかわいい子供たちのかけ声が次 第に大きくなるとともに、松明を担ぐ子供たちの姿が…

炎 その2

鞍馬の集落の夜の訪れは早い。少し前周囲の山の端はまだ茜色の空に縁取られていると思っていたのに、 いつの間にか辺りを漆黒の闇が迫ってきていた。と思ううち鞍馬街道に面した家々の門先に置かれている 松明に火が点じられてゆく。赤々と燃える松明の炎が…