17八幡まつり(近江八幡)
紅蓮の炎に包まれる大松明・・・
八幡祭りは、西暦275年に近江の地に行幸された応神天皇が、現在の日牟禮八幡宮へ参詣される際に、琵琶湖 岸に位置する南津田7軒の家の者が、ヨシで松明を作り、火を灯して道案内をしたのが始まりではないかと伝え られている。
大松明に火が点されると炎はたちまち火柱になって燃え上がり、大松明のてっぺんに仕掛けられた花火が心地 よい乾いた音を立てて上がった。大松明の炎の色と花火の色が春の夜に美しく交差する・・・
八幡まつりは松明まつりともいわれる。若衆に曳かれてきた各町の松明は日牟禮八幡宮でのお祓いを受けて 山門から出てくると曳き手たちの顔は炎で紅潮し、門前での大太鼓の乱打の音とともにまつりの雰囲気は一段 と高まってゆく・・・
「左義長まつり」を左義長が湖国に春を告げるまつりといえば、その一か月後に行われる「八幡まつり」は松明の 炎が湖国の春の訪れを祝い照らすといってもいい。それほどに湖国の人々はこの二つのまつりを待って厳しい 冬を過ごす。湖西から湖北、そして湖東…