です。「週刊文春」に1965年10月18日号から1961年11月21日号に掲載されました。1968年にはNETテレビでテレ
わたしと「十一番目の志士」
を見込み、高杉晋作は刺客として活用することにします。
江戸、大坂、京都三都で晋助の刃が暗殺の雨を降らします。そのことに感づいた新選組は晋助の調査に乗り出
し、晋助に許婚の椋梨一蔵を殺された栗屋菊絵もまた、晋助を仇と付け狙います。新選組との戦闘が白熱する
していきます。主人公かつオリジナルキャラクターである天堂晋助は周防鋳銭村出身で、村厄介なる最下級の
目置かれるほどの刺客となります。司馬さんの原作は高杉の死と愛妾おうのの(強制的な)出家で終わっていま
す。
なお、司馬さんの作風は基本的に史実に対して忠実であるため、歴史研究者でさえ実在の人物と思ってしまっ
がいるのに対し、長州藩にはいなかったと考えたためと司馬さんは言っています。架空の人物を実在した人物の
ように縦横無尽に活躍させる、司馬さん得意の物語の世界に読む者を引きづり込んでゆきます。