り、織田家中でも随一の美貌といわれた菜々を娶ります。この頃まだ数郡を切り取った小領主にすぎな
術数の限りを尽くして土佐の切り取りを推し進めていきます。
◎わたしと「夏草の賦」
土佐の一大名に過ぎなかった長曾我部元親ですが信長のあと天下を引き継いだ秀吉は四国の平定を果た
した元親を屈服させるべく大軍を送り込みます。 再び存亡の危機に立たされた元親は徹底抗戦で玉砕す
る道を選びますが、刃折れ矢尽き、ついに家臣の説得に応じて秀吉の軍門に降ります。 彼が半生をかけ
て切り取った領土は土佐一国を除いて召し上げられ、また秀吉という人物に直接触れることでその器の
大きさを、思い知らされた元親は、彼の野望に幕を下ろします。後年関ヶ原の戦いで豊臣方に組した長
豊が連れてきた家来が上士となり一方土着の長曾我部家の侍が郷士となって差別されることとなりま
す。