京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

別編司馬遼太郎の世界

愛読書16 「跳ぶが如く」

「翔ぶが如く」は昭和47年1月から昭和51年9月まで毎日新聞に連載されました。明治維新の功労者であっ た薩摩の西郷隆盛と大久保利通の後半生を描き、明治維新と薩長藩閥の本質を描いています。明治5年、 のちに警視庁を創設する薩摩の川路利良が明治政府の司…

愛読書15 「世に棲む日日」

「世に棲む日日」は昭和46年5月から7月に文芸春秋に連載されました。文春文庫第一巻から第二巻の半ば までが幕末長州藩の思想家吉田松陰の生涯について、第二巻の後半から第四巻までがその後継者である高 杉晋作の生涯が描かれています。倒幕への主動力とな…

愛読書14 「峠」

「峠」は昭和41年1月から昭和43年5月まで毎日新聞に連載されました。最後の将軍徳川慶喜は大政奉還、 薩長を主とする官軍は江戸へ、会津藩を中心とする佐幕派は敗走。そんな状況の中で越後長岡藩の家老で あった河井継之助は徳川幕府にも倒幕派にも属さず永…

愛読書13「新選組血風録」

「新選組血風録」は昭和37年5月から12月まで小説中央公論に連載されました。 維新動乱期の象徴的存在であった新選組にあらゆる角度から焦点をあててその時代的背景と人物像を浮き 彫りにした「異聞集」で、15編の短編小説をまとめたものであり、後に司馬史観と…

愛読書12「王城の護衛者」

「王城の護衛者」は昭和40年4月別冊文藝春秋に掲載されました。14代将軍徳川家茂の信頼厚かった京都守 護職会津藩主松平容(かた)保(もり)の、守護職就任から薩長に敗れて15代将軍徳川慶喜とともに江戸に逃 れ、最後に会津で武士としての意地を貫き通すまでの激…

愛読書11 「覇王の家」

「覇王の家」は昭和45年1月から翌年9月まで小説新潮に連載されました。徳川300年、戦国時代の争乱を平 らげ、徳川幕府という長期政権「覇王の家」の礎を築きあげていった徳川家康の生涯を描いた小説です。 ◎わたしと「覇王の家」 織田信長、豊臣秀吉そして徳川家…

愛読書10 「歳月」

「歳月」は昭和43年1月から翌年11月まで小説現代に連載されました。佐賀鍋島藩脱藩志士江藤新平が 明治政府で司法卿まで栄達し、近代日本の法体系を確立しましたが、明治6年の征韓論で敗れて下野。薩 長閥の明治政府を激しく非難して佐賀の乱を起こしました…

愛読書9 「梟の城」

「梟の城」は昭和33年4月から翌年2月まで中外日報に連載されました。葛籠重蔵という伊賀の忍者を主人公 にした痛快忍者小説です。篠田正浩監督が同名で映画化しています。司馬さんはこの小説で直木賞を受賞 して流行作家(司馬さんはこの呼び方は好きではなかっ…

愛読書8「最後の将軍」

「最後の将軍」は昭和41年6,9,12月に別冊文芸春秋に連載されました。徳川15代最後の将軍徳川慶喜の生涯 を描いた物語です。神君家康公の再来といわれ、薩長土肥の、いわゆる倒幕藩から恐れられた英傑といわ れましたが、いっぽう大政奉還(政権を朝廷に還す)や…

愛読書7「風塵抄」

「風塵抄」は平成61年5月から平成8年2月(司馬さんが亡くなった月)まで「サンケイ新聞」に連載 されました。風塵とは世間のことを指し、小間切れの世間話を意味します。司馬さんの独特の語り口によ る炉辺談話のような随筆です。 司馬さんが亡くなった…

愛読書6「人間の集団について ベトナムから考える」

「人間の集団について ベトナムから考える」は昭和48年4月から7月まで「サンケイ新聞」に掲載さ れました。鋭い史観による独特の発想と、やさしい心に映った内戦下のベトナムの姿、複雑な国際関係と 政治の力学について誰一人として言及しなかった深い洞…

愛読書5「義経」

「義経」は昭和41年4月から昭和43年4月まで「九郎判官義経」の題名(のち「義経」と改題)でオ ール読物に連載されました。判官びいきとよく言われるように日本人の心の中にはよわい者や悲劇のヒー ローに対する哀れみとかいたわりとかに敏感に反応す…

愛読書4「国盗り物語」

「国盗り物語」は昭和38年8月から昭和41年6月まで「サンデー毎日」に掲載されました。 美濃の斉藤道三、その娘婿の織田信長ならびに斉藤道三の甥である明智光秀の三人の主人公が戦国の世を いかに生き抜いていったかその様を描いています。 斉藤道三は長男の…

閑話休題 司馬さんのお墓

京都の東山五条に西本願寺の東山本谷御廟がある。東山の懐に優しく抱かれた御廟の中の御影堂裏側一帯 には墓地が広がる。普段は静かなこのあたりも、お彼岸の中日やお盆のときは墓参の人々でにぎわう。 元々西本願寺は浄土真宗本願寺派の本山で、現在の西本…

閑話休題 「坂の上の雲」の主人公たち

愛読書3 「坂の上の雲」の続き 写真上から 秋山好古 秋山真之 日本海海戦 新人物往来社刊 「秘蔵写真日露戦争」より

愛読書3 「坂の上の雲」

「坂の上の雲」は昭和43年4月から昭和47年8月まで「サンケイ新聞」に連載されました。明治国家成立後 まだ間もない日本が大国ロシアとの戦争でいかに懸命に戦ったかを、明治の日本帝国陸海軍の創生期、陸 軍に初めて騎兵という戦闘集団を取り入れた秋山好古…

愛読書2 「竜馬がゆく」

「竜馬がゆく」は昭和37年6月から同41年5月まで「産経新聞」に連載されました。司馬さんの描く坂本竜 馬の人間像は幕末という暗く重苦しい歴史に青春の輝きと明るさを吹き込みました。 ◎私と竜馬がゆく 司馬さんと私との付き合い?は古い。昭和五十年頃東京…

愛読書1 「燃えよ剣」

この「司馬遼太郎の世界」は司馬さんの熱烈な一ファンとして、数多くの著作の紹介を中心に作っていき たいと思っています。 司馬さんについて (1923-1996)大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、 『梟の城』で…

司馬遼太郎記念館

司馬遼太郎記念会館 所在地 〒577-0803 大阪府東大阪市下小阪3丁目11番18号 河内小阪駅から徒歩約12分。準急停車駅です。駅に記念館までの地図があります。 記念館は司馬さんの邸宅の隣にあります。司馬さんが平成8年2月12日に亡くなられたあと、財)司馬遼太…