京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

苫前港と三毛別羆事件復元現地

北海道留萌管内中部に位置する町、苫前町(とままえちょう)は風力発電が盛んであり、国道232号から見える北海道最大級の風力発電風車群は雑誌などで取り上げられることも多い。苫前町にある苫前港は澄み切った青空と豊穣の大地と海原が広がる。が一方で大自然の中での野生動物との共存の故に、過去には忌まわしい事件が起きている。その復元された現場を訪れてみた。作家吉村昭の著作「羆嵐(くまあらし)」で小説になった実話の事件である。事件は現場に立てられた看板の説明によると、三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)とは1915年(大正4年)12月9日 - 12月14日にかけて、北海道苫前郡苫前村(現:苫前町三毛別(現:三渓六線沢で発生した、クマの獣害(じゅうがい)としては記録的な被害を出した事件。エゾヒグマが数度にわたり民家を襲い、開拓民7名が死亡、3名が重傷を負った。事件を受けて討伐隊が組織され、問題の熊が射殺されたことで事態は終息した。ヒグマは金毛を交えた黒褐色の雄で、重さ340kg、身の丈2.7mにも及び、胸間から背中にかけて「袈裟懸け」といわれる弓状の白斑を交えた大物であった。推定7 - 8歳と見られ、頭部の金毛は針のように固く、体に比べ頭部が異常に大きかったという。復元現場には「この付近でヒグマの目撃情報が寄せられている。見学者は十分注意するように」との注意書きが貼られ、またクマ避けの鈴が何個か吊るしてあった。なんとなく気持ち悪く早々に現場を立ち去ったのであった。