京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

ノシャップ岬から宗谷岬へその1

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ノシャップ岬の落日を堪能した後、稚内の町で一泊し、翌朝宗谷岬に向かった。つい一週間前には北海道は豪

雨に見舞われ宗谷本線は現在も不通なのに、北海道に来てからのわたしどもは天気に恵まれ、この朝も素晴ら

しい快晴であり、宗谷湾、そして宗谷海峡はどこまでも美しい風景を見せてくれる。すっかりお馴染みとなってい

たオロロンラインは稚内で終わり、利尻富士とも別れを告げて稚内から宗谷岬までは国道238号線(宗谷国道)

が道案内をしてくれる。風車の林立する宗谷岬が視界に飛び込んでくる頃、宗谷岬に続く道路はこのまま海岸

線に沿って伸びる宗谷国道と宗谷岬の南に広がる宗谷丘陵を経て宗谷岬に達する道道889号線の分岐点に着

いた。道道は閉鎖されているかも知れないと思っていたのだが、ゲートは開いており右折し道道に入った。これ

でわたしどもは宗谷丘陵を越えて、高台から岬を見下ろしながら岬に降りてゆくこととなった。宗谷丘陵は今から

およそ2万年前の氷河時代の末期に氷河の周辺に形成された特徴的なものである事から「周氷河地形」(しゅう

ひょうがちけい)と呼ばれている。氷河周辺部が凍結と融解を繰り返すうちにできたものだが、国内でこのように

明瞭な周氷河地形が観察できる地域は他になく、日本列島や北海道の生い立ちを伝える貴重な遺産として2004

年に北海道遺産に選定された。丘陵内にはこの地形を利用した牧場があり、のんびりと放牧されている宗谷黒

牛や、風力発電の風車群を見ながら通る道は、稚内市街から宗谷岬を目指す観光ルートの一部として定着して

いるのである。なだらかな道路を登ってゆくと宗谷丘陵からはなだらかな周氷河地形の向こうに宗谷海峡が大き

く広がり、宗谷黒牛がのんびりと牧草を食んでいるのが見えた。