京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

沙沙貴神社の冬その1

      

      

      

滋賀県近江八幡市安土町常楽寺にある神社を沙沙貴神社(ささきじんじゃ)という。少彦名命を含めて計四座五柱の神々を祀り、「佐佐木大明神」と総称する。近江源氏氏神であり、佐々木姓発祥地に鎮座する。平安時代には近江国蒲生郡式内社となっている。宇多源氏源成頼がこの地に土着するようになると、孫の佐々木経方が佐々木氏と称するようになった。戦国時代、この地を治めていた佐々木氏の嫡流・六角氏は織田信長によって放逐され、当地は信長の支配下に入った。後には信長の居城である安土城が付近に築城されたが、当社は破却を免れて維持されている。江戸時代の天保年間(1831年 - 1845年)に火災によって社殿が焼失するが、弘化5年(1848年)に丸亀藩主京極高朗により本殿、権殿、拝殿、楼門などが再建された。その際、水原源四郎俊勇が棟梁となって平安時代鎌倉時代の様式で再建が行われている。それらの建物はいづれ滋賀県指定有形文化財となっている。婆沙羅大名の佐々木道誉、信長に徹底して反抗した六角義賢、当社を再建した京極高朗の他、日露戦争での203高地の戦いで有名な乃木希典も佐々木一族である。この時期、沙沙貴神社では早春の訪れを告げる黄色い小さな花「蝋梅-ロウバイ」が見頃を迎えている。蠟梅は花びらの光沢と透明感がろう細工のように見えることから名付けられたとされる。