京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

常濱水辺公園その1

沙沙貴神社国道8号線(旧中山道)から安土に続いている安土街道に入ってしばらく車を走らせたところにある。この神社の前から安土街道を車で10分ほど走ると安土城址に着く場所である。かつて織田信長が安土に城を建て、岐阜から移り住んだ天正7年(1579年)から本能寺の変織田信長が亡くなった天正10年(1582年)まで三年間の僅かの期間、この安土街道が日本の最も栄えた街道の一つとなった。その街道をしばらく車を走らせると右手に常濱水辺公園という公園の案内板が見えた。小さな駐車場に車を停めて公園を散策した。年代不詳の木の橋が架けられた小さな池があり周囲を散歩することができる。住宅地の中にあり、この場所だけが開発を遠慮したというような雰囲気の公園であった。常濱は室町時代観音寺城の外港で港町として栄え、明治初期までは琵琶湖を就航する蒸気船の寄港地として活気にあふれたという。安土城があった時代は中山道を通り安土街道を通って運ばれてきたさまざまな交易品や、あるいは琵琶湖を船で渡ってきた京都からの交易品がこの港で陸揚げされて楽市楽座で賑わう安土の町に運ばれたのであろう。そのような賑わいの溢れた港も歴史の彼方に消え、いまは水鳥たちがヨシの間を泳ぎ回る静かな風景を見るばかりだ。