四条通りの鴨川辺りには徳川時代南座と北座の二つの歌舞伎座が四条通を挟んで興行していたが、明治になって北座は廃業し、南座だけとなった。(いまある北座の建物は総合商業ビルで建物の傍には北座跡の碑が立っている) 南座は桃山風破風造りの建物で登録有形文化財、日本の劇場しては最古の建物という。四条大橋を渡って先斗町の小路を抜けて木屋町通りに出る。木屋町蛸薬師の高瀬川沿いに高層建築のホテルが建っているのを見て驚いた。高瀬川沿いやすぐ西側の河原町通りあたりには土佐藩邸跡碑や大村益次郎、佐久間象山、本間精一郎の遭難碑があり、また池田屋事件(土佐長州の尊王の志士が会合した池田屋に新選組が襲撃)に関係して捕縛された古高俊太郎邸跡の碑、そしてその池田屋跡の碑、坂本龍馬・中岡慎太郎が暗殺された近江屋遭難碑等々幕末の生臭い事件が数多く発生した場所である。そんな高瀬川沿いに建つ近代的なシティホテル、時代の流れとはいうもののなんとも言いようのない印象を覚える。