に道中薬を売る店が数軒あったという。そのうちの 1軒である大角家は、胃痛や歯痛などに効くという「和中散」を
売る「ぜさいや」の本舗で、慶長16年(1611)、野洲郡の永原御殿に滞在中の家康公が腹痛を起こして苦しんだ
時に、典医が持ち帰った「和中散」を献じたところ、たちまちに治ったという。喜んだ家康公が直々に薬に「和中
散」という名を与えたこともあり、その後、「和中散」は広くその名を知られるようになったと伝えられている。江戸
時代、大角家は「間の宿」の茶屋本陣をつとめていたが、和中散本舗の隣に座敷を増築して、そこに多くの大名
が休憩に立ち寄ったという。文政 9年(1826)には、長崎から江戸へと向かう途中のシーボルトが立ち寄ってお