錦市場の西側の出口を出ると大丸百貨店の建物が見える。この建物の傍に「薩摩屋敷の石碑が建っている。かつて摩藩の京都にある薩摩藩邸のなかで、一番最初に造られたのが、この錦小路藩邸であった。坂本龍馬が元治元(1864)年8月に、勝海舟の紹介で西郷隆盛に初めて会いに行ったこの錦小路藩邸といわれている。京都にある薩摩藩邸はこの錦小路藩邸のほか、同志社大学の今出川キャンパスの西門あたりに石碑が建つ二本松藩邸、伏見に伏見藩邸と三つの藩邸があった。有名な幕末の薩長同盟などは二本松藩邸で行われ、伏見藩邸は坂本龍馬が逗留していた旅籠寺田屋で伏見所司代からの捕り手に襲われた折、龍馬の危急を寺田屋のお龍(のちに妻となる人物)がこの伏見藩邸に知らせたという。