京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

蔵王へ その1

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わたしどもの「秋の奥州路をゆく」旅行もいよいよ終わりに近づいてきた。仙台市内観光で杜の都の美しさに堪

能した翌日、奥州の雄大大自然に触れるべく蔵王に向かった。ゆく途中青根温泉という温泉で小休止した。

青根温泉は開湯は1528年である。アオヌキの木の下からお湯が沸いていたことから、青根の名前がついた。 病

人が弥陀の称号を称えながら入湯するとたちまち病から全快するといわれた。 江戸時代は仙台藩伊達氏の御

殿湯が置かれた。伊達氏の御殿湯は他にも東鳴子温泉にも置かれた。藩主専用の湯治場であった青根御殿が

存在するが、明治時代に焼失したものを昭和初期に再建したものという。

レストハウスでトイレを済ましたあと、近くにしゃれた洋館があり、観光案内所の看板が目に入った。洋館の名は

青根洋館といい、明治末期に東北学院と仙台教会の発展に伴い来日した宣教師たちの住宅として、当初は仙

台市青葉区に建設されたという。 その後、1959年(昭和34年)にこの青根温泉地内に解体移築され、更に2002

年(平成14年)に現在地に観光案内や資料館として移築復元された。

1階には観光案内所と喫茶室があり、2階には仙台藩主伊達家の御殿湯として栄えた青根温泉の歴史に関する

資料や、作曲家の古賀政男が愛用した楽器や楽譜などの遺品が展示されていた。

古賀は1928年(昭和3年)、この青根温泉で自殺を図ったが未遂に終わり、蔵王の夕暮れを見てあの名曲『影を

慕いて』の着想を得たという。

思いがけない場所で思いがけない人物の青春の一端を知り、遺品を見て感慨に耽ったのであった。