京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

日野町綿向神社その2

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司馬遼太郎は「街道をゆく 24」の近江散歩で綿向神社のことをこう書いている。
 
 蒲生郡日野の町を歩いた日は晴れていたが、町をつつんでいる陽の光までがき゜らつかず、空に一重の水の
 
 膜でも覆っているように光がしずかであった。
   
  やがて家並みのあいだに大きな鳥居があった。くぐると、境内の結構や社殿がふしぎなほどに品がよかっ
 
 た。境内に林泉があり、ひとめぐりして鳥居を出た。鳥居の前から家並みのゆきつくはてをながめてみると、む
 
 こうの屋根の上に淡く雪を刷いた岩山のいただきがわずかにのぞいていた。それが奇妙なほど神々しくおもえ
 
 たのは、私の中にも古代人の感覚がねむっていたからに相違ない。もう一度神社に入りなおして社務所の若
 
 いと神職にきくと、ああ綿向山(わたむかやま)でございますか、あのお山はこの綿向神社にとって神体山でご
 
 ざいます、ということだった。神社は「延喜式」の古社で、建立はそれ以前であり、社殿がここに造営されたのは
 
 白鳳13(685)であるという。」
 
この日も参道の古い家並みの向こうに雪を抱いた綿向山が頂をわずかに雲に隠してのぞいていた。