桜は生命力を高める象徴として平野神社では平安時代より植樹され、現在では約60種400本あるという。当社に珍種が多いのは、臣籍降下した氏族の氏神でもあったことから、蘇り、生産繁栄を願い各公家伝来の家の標となる桜を奉納したからと伝えられている。平安期に、貴族たちは長い期間様々な桜を楽しみ、江戸時代になると庶民にも夜桜が開放され、「平野の夜桜」は都を代表する花見の名所となったという。平野神社原木の桜も多く、また長い期間(約1か月半)様々な種の桜を愛でることができる。来年は夜桜の風情を楽しもうと心に決めて平野神社を後にしたのだった。