京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

冬の奈良散歩その3

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東大寺に行く途中にある氷室神社。由緒は「氷室神社縁起」絵巻に記されており、また『続日本紀』や『元要記』

にも散見される。和銅3年(710年)、元明天皇の勅命により、吉城川上流の月日磐に氷神を奉祀し(下津岩根

社)、厳寒に結氷させたものを氷室に蓄え、翌年に平城京へ献氷させる制度が創始された。翌和銅4年(6月1日

4年(711年)6月1日に初めて献氷の勅祭が興され、以降毎年4月1日より9月30日まで平城京に氷を納めた。

奈良朝7代、70年余りの間はこの制度は継続したが、平安遷都後は廃止され、貞観2年(860年)、清和天皇の時

期になって、現在の地に奉遷され、左右2神を併せ三座となった。社殿が建立されたのは建保5年(1217年)とさ

れている。以来、春日大社の別宮に属し、式年費用や営繕費、祭礼費などは春日社、興福寺の朱印高2万石、

および社頭所禄、三方楽所料2千石などの一部によって行われたが、明治以降はこの制度も廃止され、氏子と

冷凍氷業界の奉賛により維持される形になっているという。

毎年5月1日に行われる献氷祭は奈良時代、春日野に氷池や氷室を設け、氷の神を祀り、春迎えとして順調な気

候と豊作を祈願する祭りが営まれていたのに因み、全国各地から製氷・販売業者が参列し、業績成就を祈願す

る祭りであるが業界繁忙な6月を避けて5月1日に行われている。神前に花氷や鯛の結氷などの花氷3基、氷柱6

基を捧げ、舞楽殿では舞楽4曲が奉じられるという。境内のしだれ桜は氷室のしだれ桜として有名。