京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

近江八幡・西の湖の春

内湖とは、琵琶湖と何らかの形で接続されている湖沼のこと。湖水の循環によってその流域全体の浄化機能を果たしたり、在来魚の産卵場所にもなったりと、とても大きな役割を担っている。昭和の初期まで、琵琶湖周辺には大小37個の内湖が広がり、総面積は2902haに及んでいたが、戦後の食糧増産や開発により干拓が進み、現在では23個、総面積425haにまで減少した。

そんな内湖の中で最大の面積を誇るのが「西の湖」。その大きさは内湖全体の約半分を占める約222ha。安土山の西にあることから「西の湖」と名付けられた。周囲には水郷が張り巡らされ、琵琶湖八景の一つ「安土八幡の水郷」としても有名。西の湖の特徴は、近畿地方で最大級の109haにも及ぶ”ヨシ群落”。ヨシはイネ科の植物で、多くの魚類や烏類が住処としたり、産卵場所にしたりするなど、生態系に重要な役割を果たしている。また、水を浄化する働きもあり、琵琶湖にとってなくてはならない存在である。
琵琶湖が湿地の保全を目的とする国際条約「ラムサール条約」に登録されているが、2008年に登録エリアが拡大され、西の湖も追加登録されている。さらに西の湖一帯は鳥獣保護区にも指定されている。