京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

三井寺春燦々その8

      

      

三井寺の境内に戻り金堂の欄干から桜に彩られた境内を見渡すと「近江八景」のひとつに数えられる「三井の晩鐘」で知られる鐘楼の甍が目に入る。鐘楼は三井寺の中心、金堂の南東に建てられている。宇治の平等院、高尾の神護寺とともに「日本三銘鐘」のひとつである。595(文禄4)年、三井寺豊臣秀吉の逆鱗にふれ、「寺領取り上げ諸堂取壊」という厳しい沙汰を受けた。これが、「文禄の闕所」で、それまでの鐘楼と鐘もこのときにいったん破却されている。現在の鐘楼と梵鐘は、1602(慶長7)年に再建、再鋳造されたもので、国の重要文化財に指定されている。「三井の晩鐘」の鐘の音色は環境省による「残したい日本の音風景百選」に選ばれている。満開の桜を背景にこの鐘楼の写真で「三井寺春燦々」を終えたい。