境内から眺めた国宝に指定された木造入母屋造檜皮葺、桁行七間、梁間六間の本堂は見るからにしてどっしりとした安定感のある建物であり、また檜皮葺の屋根の向こうに見える、これも国宝の三重塔の軽快な甍のシルエットと成す絵画的というか写真的というか、安定した構図が見る者の心を打つ・・・
中世の天台寺院では、本堂よりやや高い場所に三重塔を置くというのが伽藍配置のセオリーであったが、常楽寺もまた、本堂より左後方の高台に、本瓦で葺かれた堂々たる構えの三重塔が建っている。この三重塔が建立されたのは、本堂の再建より少し遅れた室町時代中期の応永5~7年(1398~1400年)という。