小岩井農場は 1890年(明治23年)11月1日に日本鉄道が東北本線を盛岡駅まで延伸開業した翌年の1891年(明治24年)、日本鉄道会社副社長の小野義眞(おのぎしん)、三菱社社長の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝の三名が共同創始者となり3名の姓の頭文字を採り「小岩井」農場と名付けられた。当時のこの地域一帯は、岩手山からの火山灰が堆積し冷たい吹き降ろしの西風が吹く不毛の原野で、極度に痩せた酸性土壌であったという。1899年(明治32年)に三菱のオーナー一族・岩崎家の所有となる。戦前は育馬事業も行われており三冠馬・セントライトなど数々の名競走馬を輩出した。1938年(昭和13年)より小岩井農牧株式会社として事業活動を行っており、現在は酪農・種鶏・たまご・山林・環境緑化・技術研究・観光・農場商品販売等の事業を行っている。小岩井農場には、牛舎やサイロのほか明治時代から昭和初期にかけて建設された牧畜関連の建築物がまとまって残っており、2017年(平成29年)、小岩井農場施設の建造物21棟は重要文化財に指定された。