比叡山の麓、高野川の上流辺りを八瀬と呼ぶ。八瀬は「矢背」とも記されるように、壬申の乱で背中に矢傷を負われた大海人皇子(天武天皇)が「八瀬の釜風呂」で傷を癒されてより、平安貴族や武士たちに「やすらぎ」の郷として愛されてきたという。その八瀬にある「瑠璃光院」は岐阜市に本坊を置く「浄土真宗無量寿山光明寺」の支院で、本尊は阿弥陀如来 。もともと別荘として造営されたもので、1万2000坪の敷地に数寄屋造りの建物と日本庭園を有する。通常は非公開だが、春と秋に公開されている。書院2階の机の天板に庭のカエデが映り込む光景で知られ、紅葉の名所である。いまの時期は観光客が押し寄せ、入場制限もかかるほどであり、入場は諦め、塀越しの紅葉狩りを楽しむ。紅葉を眺めていると秋の日が射しこみ、紅葉全体が黄金色に輝き出した。