京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

仁和寺御室桜その1

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仁和寺中門内の西側一帯に「御室桜」と呼ばれる遅咲きで有名な桜の林がある。古くは江戸時代の頃から庶民
 
の桜として親しまれ、花見の盛んな様子は江戸時代の儒学者貝原益軒が書いた『京城勝覧』(けいじょうしょう
 
らん)という京都の名所を巡覧できる案内書にも次の様に紹介されている。
 
「春はこの境内の奥に八重桜多し、洛中洛外にて第一とす、吉野の山桜に対すべし、…花見る人多くして日々
 
群衆せり…」と記され、吉野の桜に比べて優るとも劣らないと絶賛されている。近代大正13年に国の名勝に指定
 
された。御室桜は遅咲きで、背丈の低い桜である。近年までは桜の下に硬い岩盤があるため、根を地中深くの
 
ばせないので背丈が低くなったと言われていたが、現在の調査で岩盤ではなく粘土質の土壌であることが解っ
 
たという。ただ、粘土質であっても土中に酸素や栄養分が少なく、桜が根をのばせない要因の一つにはなってい
 
る。
 
仁和寺(にんなじ)は、京都府京都市右京区御室にある真言宗御室派総本山の寺院。山号を大内山と称する。
 
本尊は阿弥陀如来、開基(創立者)は宇多天皇。「古都京都の文化財」として、世界遺産に登録されている。
 
皇室とゆかりの深い寺(門跡寺院)で、出家後の宇多法皇が住したことから、「御室御所」(おむろごしょ)と称さ
 
れた。明治維新以降は、仁和寺の門跡に皇族が就かなくなったこともあり、「旧御室御所」と称するようになっ
 
た。
 
御室は桜の名所としても知られ、春の桜と秋の紅葉の時期は多くの参拝者でにぎわう。徒然草に登場する「仁
 
和寺にある法師」の話は著名である。当寺はまた、宇多天皇を流祖とする華道御室流の家元でもある。
 
京都中の桜が散り始め、ようやく花見の熱気が収まってくると、こんどは遅咲きの仁和寺のお花見の時期がやっ
 
てくるのである。お花見といっても列になって御室桜の林を通り抜けるのであるが、御室桜の花の美しさと根元
 
に散った一面の花びらが陽の光に反射して、雪のように広がっている見事さにあちこちで感嘆の声があがって
 
いた。