てつくられた名苑であった。その規模は現在の神泉苑の約10倍だったという。当時は帝の納涼や舟遊びなどの
行事・遊宴が盛んに行われ、日本で初めて花見の宴が催された場所でもあったと伝わる。
この神泉苑には昔から、ある噂が囁かれていた。龍穴(りゅうけつ)があるという。その穴は異界に通じて大地の
気が溢れ出し、池の水は日照りでも涸れることがない。都人はこの池の様子を見、龍神の棲み処だと考えた。
そして、それを裏付ける伝説が残っている。嵯峨天皇(在位809~823年)の御代、京都はひどい干ばつに見舞わ
僧都だった。僧侶たちは法力で雨乞い対決をした。
て都を救った。以来、神泉苑は東寺の僧侶たちの道場として雨乞い修行の中心地となったという。