明
王院(みょうおういん) 天台宗の寺院。山号は北嶺山(安曇山とも)。本尊は千手観音。近畿三十六不動尊二
十七番。開基(創立者)は相応和尚(そうおうかしょう)である。地名を冠して葛川明王院(かつらがわみょうおうい
ん)と称されることが多く、息障明王院(そくしょうみょうおういん)、葛川息障明王院、葛川寺などとも称される。明
王院の境内は、北に流れる安曇川から東側に入った支流・明王谷の北岸に位置する。明王谷をはさんで南側に
は明王院の鎮守で、国常立神と地主神の思古淵神を祀る地主神社がある。神社前の橋を北に渡ると、道の左
側には政所(まんどころ)と呼ばれる一画があり、右側には護摩堂、庵室などが建つ。護摩堂脇の石段を上った
先、一段高く整地された場所に本堂が建つ。山腹を石垣で整地した境内の様子、各建物の配置などは中世の絵
図に描かれたものとあまり変わっていない。本堂等4棟の建物のほか、旧状をよくとどめる土地(明王院境内地、
明王院への参道に架かる橋からの紅葉の風景は実にすばらしく見事といっていい。