京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

乙女が池晩夏の風景その1

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琵琶湖の西岸を縫うようにして走る西近江路を北に向かい、白鬚神社の前を通り過ぎてしばらく走ると道路の
 
左、大溝城址の南側に広がる乙女が池がある。琵琶湖の内湖である。琵琶湖と内湖が周囲を取り囲む大溝城
 
は自然の要害で城を守る水城であった。琵琶湖の周囲にはかつて多くの城が築かれたが、坂本城や大津城な
 
ど水城が多かった。軍事上水城は攻めるに難しく、一方籠城した場合の飲料水の確保が容易であり、船を使っ
 
た物資等の搬出入にも都合がよかった。乙女が池は北側で水路を通じて琵琶湖に繋がっている。池のほぼ真
 
ん中辺りに架かる橋は太鼓橋といい風景に趣を添えている。折りしも船が船着場を離れて池に張られたロープ
 
を伝って漕ぎ出した。漁でもない様子であり、何をするのだろうと眺めていたら太鼓橋をくぐってしばらくゆくと池
 
の水面を覆っている水草を取り除く作業を開始した。改めて見回してみると岸辺に近いところは水草がびっしりと
 
水面を覆っていた。この水草を取り除くのは容易ではないに違いない。
 
万葉の時代、「香取の海」と呼ばれたこの乙女が池一帯は、山の麓まで琵琶湖の入り江になっていたという。池
 
と琵琶湖の狭い土地を南北に連なる西近江路に架けられた大溝橋の下の水路で池と琵琶湖は繋がっている。
 
面積860㎡、平均水深1.6mの乙女が池は、フナ、ブラックバスなどが生息し、特にバス釣りのメッカとして知られ
 
る。この日もただ一人いた釣り人の若者に尋ねてみると、やはりバス釣りという。
 
時折西近江路を走る自動車の走行音が聞こえてくる以外、静寂が広がる池であった。