今年も湖国に春を告げる近江八幡の「左義長まつり」に大勢の人々が集まり、ゆく冬を惜しみ、来る春を
喜ぶ。安土で天下に号令した織田信長の時代に始まったというこのまつりは織田信長が亡くなり、豊臣秀
吉の天下となっても、秀吉の養子秀次が近江八幡を治めるようになったとき、安土から近江八幡に移って
来た領民たちによってまつりは引き継がれ、連綿と今日まで続いてきた。華やかなまつりが好きだったと
いう織田信長を偲び、そして近江八幡で善政をしくも不遇の生涯を終えた豊臣秀次の徳を偲のんで行われ
てきたこのまつりは、寒い冬が終わって種まきの季節を迎えた民衆の喜びに満ち溢れた勇壮なまつりであ
る。