京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

長刀鉾巡行その3

      

  

      

長刀鉾は鉾先きに大長刀をつけているのでこの名で呼ばれる。長刀は疫病邪悪をはらうものとして、もと三条小鍛冶宗近の作が用いられていたが、現在は大永二年(1522)三条長吉作の長刀を保存し、複製品を鉾頭としている。この鉾は古来「くじとらず」といい毎年必ず巡行の先頭にたち、生稚児(生身の人間)の乗るのも今ではこの鉾だけである(他の鉾は全て人形)。稚児は祇園祭山鉾巡行(前祭)に先立って、7月13日に長刀鉾稚児社参(お位もらい)を行い、正五位少将・十万石大名の位を授かり、神の使いとされとされている。稚児は祇園祭山鉾巡行中(前祭)に稚児舞(太平の舞)によってコースを清め祓ったり、注連縄切り(しめなわきり)で神域との結界を開放したりする巡行にあたり重要な役割を果たす。

禿に続いて稚児が男衆の肩に担がれて梯子段を降りてくる。途中で正面に向いてポ-ズを決めると観衆から歓声と拍手が送られる。ここで稚児はその大切な役割を終えて地上に降り立つのである。