京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

宗谷岬から旭川へ

稚内から網走までの国道238号線稚内から宗谷岬までを別名宗谷国道と呼び、宗谷岬から網走までをオホーツクラインと呼ばれ、オホーツク海に面した海岸に沿って走る道路である。わたしどもは宗谷港に別れを告げてオホーツクラインを南下すると雄大な景色が次々広がってゆく。
青々とした牧草地でのんびりと牛たちが草を食む、遠くには牛舎、そして背の高いサイロが並ぶ・・・.これが「酪農王国・北海道」のかつての典型的な風景であった。だが飼料づくりが進化した現在、サイロはほとんど使われず、牧草はポリシートで包まれたロール型の塊( ベール)として保管されている。かつては牧草を圧縮してなるべく酸素に触れないように貯蔵して、もともと草についている乳酸菌による発酵を促し、いわば牧草“ 漬物”(サイレージ)に加工するための貯蔵設備としてサイロが発達したのであるが、現在は機械化され、サイレージを作る作業も劇的に変化した。牧草をサイロまで運ぶ必要はなく、その場でロール型の牧草をポリシートでラップし外気を遮断すると、約40 日後には良質のサイレージができ上がるのである。いまやサイロに替わって牧草地にラップされたサイレージが点在する風景が現在の酪農王国北海道の風景なのである。