り、かつては今の数倍の森林であったといわれ、中山道の名所となっていたという。今から約2300年前 孝霊天
皇の御世に石辺大連(いしべのおおむらじ)という人が神の助けを得て松、杉、檜などの苗木を植え祈願したとこ
ろ、たちまち生い茂り大森林になったと伝えられている。 後にこの石辺大連は100数拾才迄生きながられたの
で人呼んで「老蘇」(老が蘇る)と云い、この森を「老蘇の森」と呼ぶようになったという。ヒノキ、スギ、マツなどの
古木が生い茂る神々しい森である。この森の奥深い所に「奥石神社」が鎮座する。 中仙道に面した入り石の鳥
居をくぐり 両側に杉の大木が林立する参道を100mほど進むと、正面に奥石神社の社殿が立ち並ぶ。 玉砂利が
敷き詰められたゆったりした境内に入ると、静寂そのものの別世界である。奥石神社は延喜式内社で御祭神と
の一族)に命じて造営せしめたもので 国指定重要文化財。三間社流造で、桧皮葺の豪華の中に優美な落ち着
きを持った建造物である。
境内の北側の入り口には整然と灯篭が立ち並び、国道8号線と新幹線が視界に飛び込む。ひっきりなしに通過
する新幹線が清楚な老蘇の森の樹々の枝を震わす。