山鉾の巡行日の前日を宵山といい、前々日を宵々山という。前日の混雑を避けて宵々山の日に出掛ける人が
多くなったからこの日も年々見物客が増えてきた。だが今のとこ宵山ほどではなく、ゆっくりと見て回ることが出
来る。夕方いっとき大雨が降り皆雨を避けていたが、雨がやんで夕焼けで空が赤くなってきたら皆ぞろぞろと通
りに出てきた。空気中の水滴が夕焼けの太陽に照らされて東の空も赤紫っぽくなって、一時幻想的な色模様と
なった。だがそれも薄れて夕暮れが近づいてくると、山鉾の提灯の灯りが浮き上がってきた。