うっそうとした森林にかこまれた断崖から、三段になって落下するこの雲井の滝は、高さ20メートル、水量も豊か
で渓流沿いにある滝のなかでも、見ごたえのある滝のひとつである。支流から奥入瀬本流に落ち込む多くの滝
は、長い年月のあいだに本流の川底が浸食され、本流と支流の河床のあいだに大きな落差が生じてできたも
の。そしてその滝は、岩を少しずつ浸食しながら上流に向かって後退し、いつかは消える運命にある。この雲井
の滝は、その水量が豊富なことから岩が削りとられるのも速く、ほかの滝にくらべると、ずいぶん奥まったところ
まで後退しているという。
滝の激しい水音が奥入瀬渓流に響き渡る・・・