八朔の祇園の写真を撮るようになって10年以上になるが、八朔の日にこの巽橋を渡る芸妓さんや舞妓さんの数
が近年随分減ってきた。橋の袂で写真を撮ろうとする写真愛好家の数が近年増加して、時には通行の妨げにな
ることもあり、巽橋を敬遠するようになったのだろうか。だが巽橋を渡る芸妓さんや舞妓さんの写真は八朔の風
景にふさわしく、写真愛好家たちは芸妓さんや舞妓さんの姿が現れるのをじっと待つ。テレビカメラを構えて待つ
NHKの取材班がしびれを切らして場所替えをしたあと、ようやく一人の舞妓さんがまだ幼顔の仕込みさん(舞妓
さんになる前の見習い)を引き連れてやってきた。みな満を持してカメラのシャッターを押す。可愛い舞妓さんは
緊張した表情を浮かべて通り過ぎて行った。そのあとまた空白の時が流れる。小生もここで一人でも写すことが
できたからいいやとすぐ近くの新橋通のあるお茶屋さんの前に移動した。