松島湾を臨む広場に出ると左の方に海岸と橋でつながれた小島が目に入った。五大堂の建つ小島である。
北地方最古の桃山建築と言われており、現在、国の重要文化財に指定されている。
小島に架けられた朱色の橋は「すかし橋」といい、橋げたの隙間から海が見え、五大堂へ行く際に足元を見て気
を引き締めるために造られたと言われている。
雨に濡れる橋を慎重に渡り、五大堂に手を合わせてから目を周囲に巡らせると、雨に煙る松島湾の景勝が眼前
に広がっていた。いつしか雨も小降りになり視界もやや良くなったようで湾に浮かぶ島々の輪郭も次第に鮮明に
なってきた。