落柿舎を過ぎて常寂光寺に向かう。藁葺きの仁王門の前に近づくと俄かに人波が増えた。仁王門から続く石
段の途中に大勢の人々が仁王門を見下ろして、或る者はカメラを向け、或る者は感嘆の声を挙げていた。
何事かと思いながら石段を登り、その場所に立って振り返って見ると、わたしも思わず小さな声を挙げてしまっ
た。なんという美しさだろうかと・・・
百人一首で詠まれる小倉山の中腹の斜面にあって境内からは嵯峨野を一望でき、境内の庭園には200余本の
カエデが植えられており、秋は全山紅葉に包まれる。その常寂光土のような風情から寺号がつけられたとされ
蓮宗大本山本圀寺十六世日禎が隠棲の地として当山を開いた。
り堂塔伽藍が整備された。