京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

臨済宗妙心寺の秋その3

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方丈の座敷に架けられた国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」の掛け軸。日本の初期水墨画を代表する画僧・如拙

の絵画作品である。図は水流の中を泳ぐナマズ(題名の「鮎」はナマズの意)と、ヒョウタンを持ってそれを捕らえ

ようとする一人の男を表す。男はヒョウタンをしっかり抱え持っているようには見えず、危なっかしい手つきであ

る。左前景には数本の竹、遠景に山々を表す。主たるモチーフを画面の左下に集め、画面右方を広い空間とす

る構図法は「残山剰水」「辺角の景」と呼ばれるもので、南宋の画家馬遠が得意としたものである。また、人物の

描法には同じ南宋の梁楷の「減筆体」の影響がうかがわれる。このように本作品は、南宋院体画の影響を強く受

けたものであり、日本の初期水墨画を代表する人物である如拙の筆であることが確実な遺品として、日本絵画

史上貴重な遺品であるという。また方丈の横に広がる庭は室町時代の画聖・狩野元信の作品で、絵画的な優美

豊艶の趣を失わず、独特の風格を備えている枯山水庭園である。庭の背景には、やぶ椿、松、槇、もっこく、か

なめもち 等、 常緑樹を主に植え、一年中変わらない美しさ「不変の美」を求めた物と考えられている。