京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

三段峡をゆくその2

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新幹線に乗って西に向かって走ると中国地方は高い山の風景が少ないことに気がつく。中国山地は日本の

国地方の脊梁をなす山地。また中国地方最高峰の大山やその外輪山の蒜山、および三瓶山中国山地より北

に外れて出来た独立峰の火山であり、これらは他の中国山地の山々とは生成過程が大きく異なる山であるが、

国土地理院では中国山地中部と分類している。東西に長く、東はおよそ市川円山川(いずれも兵庫県)付近か

ら、西は響灘海岸(山口県西岸)までの約500kmに及ぶ。氷ノ山(標高1,510m)を除くと高い山でも標高約1,300m

~1,000m程度、その他はおおむね標高約500m~200m程度の比較的低い山で構成されている。全般的に風化

しやすい花崗岩が多く、侵食を受けて小起伏の多い準平原地形を呈している。平地部は津山盆地三次盆地

などごくわずかな範囲に限られている。

この三段峡の景観を成す岩石は花崗岩と同じ化学成分の完晶質の岩石である花崗斑岩であり、花崗岩と同様

風化しやすく、水の浸食等で美しい渓谷の風景が広がる。激しい水の流れが花崗斑岩を穿ち、深い淵を造りな

がら幾万、幾十万年の時を経て渓谷を造成する。その淵を流れゆく満々とした水流の碧さの美しさ、清らかさは

ほかに例えようもなく、中国の水墨画に描かれたような渓谷の両側の切り立った崖は厳しい自然の営みを想像

させるのである。