新幹線に乗って西に向かって走ると中国地方は高い山の風景が少ないことに気がつく。中国山地は日本の中
に外れて出来た独立峰の火山であり、これらは他の中国山地の山々とは生成過程が大きく異なる山であるが、
ら、西は響灘海岸(山口県西岸)までの約500kmに及ぶ。氷ノ山(標高1,510m)を除くと高い山でも標高約1,300m
~1,000m程度、その他はおおむね標高約500m~200m程度の比較的低い山で構成されている。全般的に風化
などごくわずかな範囲に限られている。
風化しやすく、水の浸食等で美しい渓谷の風景が広がる。激しい水の流れが花崗斑岩を穿ち、深い淵を造りな
がら幾万、幾十万年の時を経て渓谷を造成する。その淵を流れゆく満々とした水流の碧さの美しさ、清らかさは
ほかに例えようもなく、中国の水墨画に描かれたような渓谷の両側の切り立った崖は厳しい自然の営みを想像
させるのである。