町正禅寺所蔵の大般若経に、応永14年(1403)に(豊浦新宮大社)に経典を奉納したことが記されており、城下
町以前から存在していたことがわかる。
拝殿(町指定文化財)
正面三間(11.36m)、側面五間(7.82m)、入母屋造、茅葺の材料に葭(よし)の素材を使った美しい土間形式の
拝殿。側面、背面に比べ正面の柱間を広く取ることや、床を張らず土間であることは、古くから祭礼に関わって
伝えられてきた建物の形式であることと思われる。特に拝殿が土間形式であることは、当神社の他町内では上
豊浦、下豊浦の神社に限られ、また県内でも珍しいものという。建立年代は、明らかではないが、全体の様子か
ら江戸時代後期であると考えられる。
本殿(町指定文化財)
三間社流造、桁行三間(4.15m)、梁間2間、一間の向拝付(3.93m)建立年代は棟札(正徳2年(1712銘)と様
式、手法が一致することから江戸時代中期の正徳2年に建てられたとされる。
平成11年(1999)の修理で桧皮葺から銅板葺に改められたが、建立年代が明らかで意匠がまとまった安定感の
ある前室付三間社流造(さんげんしゃながれづくり)として価値の高い建物であるという。