インターネットから転載
音羽の滝の前の道を過ぎてしばらく歩き、右手に現れた道を登ってゆくと「子安の塔」という三重塔がある。清水
孝謙天皇を安産されたので、その報恩のため建てられたという。後世、安産祈願の信仰が生まれ子安観音とあ
がめられる。ただ残念ながら現在子安の塔は保存修理工事のため全体に覆いが掛けられていて外観を見るこ
とはできない。今回修理にともなう調査で、今まで江戸時代初めの再建とされていたが明応9年(1500)の墨書が
る堂塔の中では最古の建物にあたることが明らかになった。宝暦3年(1753)頃の軒廻りや初重内部の改変、明
治43年(1910)の移築、昭和9年、25年の台風被害の復旧工事が行われ、直近では昭和53年に屋根葺替をして
現在に至っている。
場所はここしかない。今は青葉が茂っていて視界はあまりよくないが、それでも樹の間から覗く清水寺は気品が
あって美しく、千年の都の歴史の重みが感じられる風景である。