参道(清水坂ともいう)に出て左手に向かう。近くに観光バス等の駐車場があるものだから、通行人はどっと増え
座を堅持しているという。ここもだらだら坂を両側の土産店を覗きながら歩くのも楽しい。一番最後の写真、数珠
屋の店先の地獄絵はわたしの子供の頃から大きな数珠とともにこの場所にある。おそらく戦前からあるのではあ
るまいか。怖いもの見たさに阿鼻叫喚の声が聞こえてくるようなこの地獄絵を恐る恐る眺め、つないでくれる親の
れている。江戸時代に出版された『東海道中膝栗毛』の中にも「両側の茶屋、軒ごとにあふぎたつる田楽の団扇
の音、かまびすきまで呼たつる声ごえ『もしなおはいりなされ、茶ちゃあがってお出んかいな。名物なんばうどん
あがらんかいな』」と書かれていて、昔から参道は参拝客の往来で賑わったようである。