人影も見えない静かな場所に変貌する。この砂浜から南を眺めると湖南地方は陽の光に輝いているが湖北地
方は鉛色の空が広がる光景が広がる。典型的な琵琶湖の風景である。冬、車で湖岸道路を大津から北に向か
うと晴れた冬の太陽が降り注ぐ晴れた日であっても、彦根あたりまで来るとなにやら雲行きがおかしくなり、明る
かった琵琶湖の湖面さえも空と同様鉛色となる。雪も降ってくる。でも振り返って湖南のほうに目をやると空も湖
面もきらきらと輝いている。湖南と湖北は天候でもこうも違うのだ。この水泳場からでさえ長浜方面は明るく、そし
て北に目を転じると雪国の暗さが感じられ、さらに沖のほう、すなわち湖南に視線を移すとやはりきらきらとして
いる。
夏になったら再びこの水泳場の砂浜に立ってみたいと思っている。