る歌として有名。
あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る
(あかねさす)紫野の中を行き、標野の中を行って、野守は見ているではありませんか、あなたが袖を振るのを
紫草の(むらさきの) にほへる妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆえに われ恋ひめやも
紫草のように美しいあなたを憎いと思ったら、人妻であるのに、私はかくも恋しく思うだろうか
雪野山、瓶割山、鏡山が遠くに見える蒲生野には万葉時代、むらさきが咲き競い他の薬草も豊富にあったとい
われている。写真の美術陶板はその遊猟の姿を想像して描かれたものである。
頂上から眺める風景は冬枯れの風景とはいえ、かつてここら一帯が緑の原野が広がり。草花が咲き乱れ、獣た
ちが群れをなして餌を食んでいた風景を想像してみると実に楽しい心持になる。