京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

街道をゆく(東近江市万葉の森船岡山)

イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
イメージ 5
 
イメージ 6
 
イメージ 7
 
イメージ 8
 
はるか万葉の昔、この船岡山あたりを中心とする蒲生郡は広大な緑の原野が広がり、貴族たちが狩猟をし、薬
 
を摘んだ場所であった。当時朝廷があった大津京から天智天皇の一行も蒲生郡へ出かけ歌を詠み、狩猟を
 
楽しんだという。この游猟の時に額田王大海人皇子(後の天武天皇)の間で交わされ恋歌は、万葉集を代表す
 
る歌として有名。
 
 
あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る
 
(あかねさす)紫野の中を行き、標野の中を行って、野守は見ているではありませんか、あなたが袖を振るのを
 
 
紫草の(むらさきの) にほへる妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆえに われ恋ひめやも
 
紫草のように美しいあなたを憎いと思ったら、人妻であるのに、私はかくも恋しく思うだろうか
 
この二首の歌を記念して船岡山の頂上の石にレリーフがはめ込まれ、万葉の森と名付けられている。
 
雪野山、瓶割山、鏡山が遠くに見える蒲生野には万葉時代、むらさきが咲き競い他の薬草も豊富にあったとい
 
れている。写真の美術陶板はその遊猟の姿を想像して描かれたものである。
 
頂上から眺める風景は冬枯れの風景とはいえ、かつてここら一帯が緑の原野が広がり。草花が咲き乱れ、獣た
 
が群れをなして餌を食んでいた風景を想像してみると実に楽しい心持になる。