東塔特別公開のパンフレットから
番目の高さを誇る。
屋根の出が6か所にあり、一見六重の塔に見えるが、下から1・3・5番目の屋根は裳階(もこし)であり、構造的に
は三重の塔である。仏塔建築としては他に類例のない意匠を示す。塔の先端部の相輪にある青銅製の水煙(す
いえん)には飛天像が透かし彫りされており、奈良時代の高い工芸技術を現代に伝えている。こうした特徴的な
姿から、この塔を評してしばしば「凍れる音楽」という評語が使われる。相輪の中心部の柱の最下部には「東塔
檫銘」(さつめい、「さつ」の漢字は木扁に「察」)と称される銘文が刻まれており、薬師寺の創建と本尊造立の趣
する説が有力である。当初、東塔・西塔の初層内部には釈迦八相(釈迦の生涯の8つの主要な出来事)を表した
塑像群が安置されていたが、現在は塑像の断片や木心が別途保管されるのみである。