京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

太古の湖 半月湖の風景

      

道路の正面に見える羊蹄山の山頂部分には依然雲がかかっていた。ようやく半月湖畔自然公園の駐車場に車を停めて山道に入る。羊蹄山山麓の山道は白樺林の奥に伸びていて道は次第に細くなってゆく。原生森は深く太古から続いているような静けさが辺りを包んでいた。半月湖である。半月湖は爆裂火口に水が貯まり火口底の北よりに溶岩円頂丘が出来て現在のような半月の形になった。羊蹄山の西山麓(海抜270m)の半月湖(火口湖:面積1.3平方キロ)の周囲には原生林が密生し、深い森にひっそりとたたずむ姿は神秘的であった。山道から湖畔に続くつづら折りの坂道を下ってゆき、猫の額のような湖畔に降り立った。原生林の樹木が断ち切られたように迫る湖畔には倒木がここかしこに見られ、時折風が吹き渡りと湖面がちぢりめんのように小さく波立ち、まさに古代からの時間が止まってしまったような悠久の空間がそこにはあった。