村内各戸で竈祓いを行う際に獅子舞を舞うとともに、村内産土神社境内等で、総舞と呼ばれる芸能を披する。概
ね曲目に「舞」と付くのが獅子舞、「曲」と付くのが放下芸と呼ばれる曲芸で、曲目の間合いにはチャリと呼ばれ
る道化師と放下師とが萬歳を演じる。「放下の芸系を遺す演目は芸能史的に貴重であり、獅子による曲芸という
芸態にも特色があると認められている」との理由で、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
写真の最初の2枚は「綾採(あやとり)の曲」といい、天照大神に捧げる神衣を織る機織りの杼の動きを表わした
曲で、あやとり糸のようにバイ(木棒)をあやつる放下芸。二本のバイを空中高く放り投げることから始まり、やが
て三本のバイを自在にあやつる。また3枚以下の写真は「水の曲」といい、水をつかさどる神々をたたえ、感謝す
る曲。とくに農業に関係した水難、ひでりなどが起こらないように、穀物の豊かな実りを祈る。クライマックスの
「長水」では、何本もの竿を継ぎ足して空高く掲げ、長い竿の先から細い色紙を垂らし、ひるがえさせる。