大堰川に出る。見慣れた風景だが、対岸の山の艶やかな色づきを眺め、
保津川下りの船の櫓の音を聞いてい
るとこころが落ち着き、気が和らぐ。唐突的に話が飛ぶが、NHKの
大河ドラマ「
西郷どん」でも最近放映されたが
明治政府の初期の頃、外遊から帰朝した
大久保利通が外遊中に留守政府が
征韓論を始め多くの政策を進めた
ことに不満を抱き、しばらく静養という名目で京都に遊んだことがある。この
大堰川に架かる
渡月橋に立った時、
新しい国造りを始めた明治政府はそういった政策にほとんど関心を持ってこなかったことに気付き、案外と徳川
幕府もいいことをしてきたんだとの思いを馳せたという。