り、その中にこの草庵があった。男山には石清水八幡宮に所属する宿坊が多数建っており「男山四十八坊」とも
呼ばれたが、明治初年の神仏分離で宿坊はすべて撤去され、松花堂も旧所在地の南方に移築。現在は「松花
堂庭園・美術館」という文化施設となっており、財団法人やわた市民文化事業団が管理運営している。現・松花
堂は、移転前の旧地とともに「松花堂及びその跡」の名称で国の史跡に、「松花堂及び書院庭園」の名称で国の
名勝に指定されている。
松花堂弁当という弁当がある。中に十字形の仕切りがあり、縁の高いかぶせ蓋のある弁当箱を用いた弁当であ
るが、この弁当は懐石料理(茶料理)の流れを汲み昭和になってから誕生した様式であり、上記の松花堂昭乗
が農家が種入れとして使っていた器をヒントにこの形の器を作り、絵具箱や煙草盆として使用していたのだが、
その入れ物が松花堂弁当に発展したのは、それから数百年たってからであり、日本屈指の名料亭「吉兆」の創
この庭園は竹の他、椿が有名とのことであり、桜にはまだ日が早いこの日訪れてみた。平日であり人影も少なく
ゆったりとした心持で広い庭内を散策することができた。