徳源院枝垂れ桜を見たあと近くの中山道柏原宿を訪ねた。
る中世以来の宿場。艾(もぐさ)が特産品で、最盛時には10軒以上の艾屋があったという。天保14年(1843年)の
は1,468人であった。この柏原宿をさらに東に進むと、今須宿を経て関ヶ原宿に入る。
上記最初と最後の写真は伊吹堂亀屋佐京商店 にて 創業寛文元年、柏原に現存する唯一の伊吹もぐさの老舗
である。店構えをみると往時の繁栄を物語っている。
たい。
「柏原の宿場は、伊吹山の南麓にある。
の山岳信仰では、山から、おろしてくる風は神の息吹であるとしていた。山は、標高1377メートルである。近江第
一の高山で、古代のひとびとがこの山をたえず息吹いている精霊とみただけでなく、ふしぎに薬草が多く、いか
にも奇(く)すしき山とみていた。
るが、そのなかで近江がもっとも多く、73種にものぼっている。そのほとんどが伊吹山で産する。
なかでも、灸のもぐさが代表的である。」
中略
「江戸期に、この山中の宿場で、街道に面してもぐさ屋が十数軒もあり、明治後は一軒きりになってしまった
もぐさを買う。とくに参勤交代のための大名行列がこの宿場にとまったりすると、ひとびとはあらそって江戸や国
もとのみやげに袋入りのもぐさを買った。おもしろいことにどのもぐさ屋も「亀屋」という屋号を名乗っていた。鶴は
千年、亀は万年という、その亀のイメージで薬効を象徴させていたのである。おかしさは、おそろいで「亀屋」だっ
たということで、このことは近江商人がたがいに足をひっぱりあわないという気風とかかわりがあると見てよい。」
後略